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飛騨春慶は、渋い漆の感触の中に淡黄金色を放つ透明感のある塗りが特徴であり、 木材の美しい木目を生かす漆器として、長い伝統の中で発達してきた独特の シンプルなデザインが多くの人に愛されています。 |
金森家は代々茶道に造詣が深く、重近は後に入道し宗和と号し、京都に於いて 茶道「宗和流」の祖となるとともに、飛騨春慶塗の茶道具も茶人に贈られたり、 将軍に献上されるなど次第に名を高め、貴族工芸品としてもてはやされました。 |
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江戸時代中期に飛騨が天領になると、歴代の郡代が地場産業として発展に力を入れ、 飛騨以外にも移出できるようになり、幕末には問屋も出現し、明治、大正となる頃には 春慶塗も大衆、庶民化していきました。特に明治時代には、問屋が中心となって 飛騨春慶の振興を図り、アメリカセントルイスの万国博覧会に出品し銀賞を受賞するなど 数多くの博覧会で入賞、その知名度を高めました。 |